同フロア内移動(ビル内移転)でも見積もりが必要な理由

2025.12.26

その他

名古屋のオフィス街で事業を続けていると、増員や部署統合、あるいはフロアの部分的な改装のために、同じビル内や同じフロア内でデスクを移動させる「ビル内移転」が発生することがあります。「隣の部屋に移るだけだから」「廊下を挟んで向かいに行くだけだから」と、つい自社スタッフだけで対応できると考えがちですが、実はここには大きな落とし穴があります。

たとえ移動距離が短くても、オフィス移転にはプロの技術と専用の資材が不可欠です。また、移動に伴って発生する不用品回収の段取りも、通常の引越しと同様に計画を立てなければなりません。愛知県内の多くのオフィスビルでは、作業時に厳しいルールが設けられており、それを無視して進めることはビル管理側とのトラブルにも繋がります。

本記事では、同フロア内の移動であっても、なぜ専門業者による見積もりと作業が必要なのか、その理由と具体的な費用要因について解説します。

「同フロア=簡単」ではない理由

同フロア内での移動を「簡単だ」と考えてしまう最大の要因は、トラックによる運搬工程がないことでしょう。しかし、オフィス引越しにおける作業の核心は、積み込みや輸送よりも「什器の解体・組立」と「建物の保護」にあります。

例えば、多くのオフィスで使われている大型のキャビネットやデスク、パーティションは、そのままの状態ではドアを通りません。これらを一度解体し、移動先で再び水平を取りながら組み立てる作業には、専門の工具と知識が必要です。無理に自分たちで動かそうとして、什器を歪ませたり、床を傷つけたりしてしまえば、結果として修理代や原状回復費用が発生し、不用品回収の手間も増えてしまいます。

また、移動を機に不要になった家具を処分する場合、産業廃棄物としての不用品回収の手続きが必要です。名古屋のビル管理規定では、指定の搬出口以外からのゴミ出しを禁じていることが多く、プロの業者であればこれら全てのルールを把握した上で、安全に作業を進めてくれます。

同フロア移動でプロが対応すべき主なポイント

  • パーティションや大型システムデスクの解体・再組立
  • 重量物(耐火金庫や複合機)の水平移動と設置
  • 共有部(廊下・エレベーターホール)の厳重な養生
  • 移転時に発生した廃棄物の適正な不用品回収
  • 移動後の配線整理と什器のレベル調整

養生・搬送・電源/LAN工事などの費用要因

ビル内移転の見積もりにおいて、大きな比重を占めるのが「養生費」と「人件費」、そして「インフラ工事費」です。距離が近くても、これらの工程は省略することができません。

養生とは、床や壁を傷つけないようにプラスチックボード等で保護する作業です。名古屋の中心部にあるオフィスビルでは、たとえ数メートルの移動であっても、搬入経路全体の養生が必須条件となっているケースが一般的です。この養生資材の搬入や設置だけでも、数万円から十数万円程度のレンジで費用が発生します。

さらに、忘れてはならないのが電気・LAN配線の工事です。デスクの配置が変われば、床下のOAフロアを開けて配線を引き直す必要があります。この配線工事の費用は、デスクの数やネットワークの複雑さによりますが、5万円から30万円程度のレンジで予算を見ておくのが現実的です。これに不用品回収の費用(トラック1台分で3万円から8万円程度のレンジ)を加算したものが、ビル内移転の総額となります。

名古屋での実務例(落とし穴と注意点)

名古屋のオフィス移転実務において、よくある落とし穴が「共用部の使用制限」です。中区や中村区の大型ビルでは、平日日中の荷物搬送を制限していることが多く、早朝や深夜、あるいは週末の作業が指定されることがあります。

もし自社スタッフだけで作業を始めてしまい、ビルの管理員から注意を受けて作業がストップすれば、新オフィスでの業務開始に間に合わなくなるリスクがあります。プロの業者は事前にビル管理室と打ち合わせを行い、養生の範囲や作業時間、エレベーターの予約などを全て代行します。この「段取り代行」も、見積もりに含まれる重要な価値です。

また、愛知県内のリサイクル市場に通じている業者であれば、移動時に出た不用品の中から、買取可能なものを見つけ出してくれることもあります。例えば、状態の良いオフィスチェアが10脚あれば、不用品回収の費用と相殺して数万円のレンジでコストを浮かせられる可能性もあります。

効率的な見積もり依頼の方法

ビル内移転の見積もりを安く、正確に出してもらうためには、情報の整理が欠かせません。まずは、移動させる物品のリストと、移動前・移動後のレイアウト図面を用意しましょう。

見積もりを依頼する際は、「引越し」「不用品回収」「配線工事」をバラバラに頼むのではなく、これらを一括で請け負える業者に相談するのが最も効率的です。別々の業者を呼ぶと、それぞれに基本料金や出張費がかかりますが、ワンストップの業者なら人件費を数万円のレンジで圧縮できるからです。

また、現場調査(ロケハン)を必ず依頼してください。廊下の幅や電源の位置、ビルの搬入ルールをプロの目で確認してもらうことで、当日になって「資材が足りない」「追加作業が必要」といったトラブルによる急な追加費用の発生(数千円から数万円のレンジ)を防ぐことができます。

まとめ

名古屋でのオフィス移転は、たとえ同じフロア内の移動であっても、プロの技術と事前の見積もりが不可欠です。養生や什器の解体、不用品回収、そして複雑なネットワーク配線まで、適切に計画を立てることで、業務への影響を最小限に抑えることができます。

「近いから大丈夫」と過信せず、まずは現状の荷物量と移動先のレイアウトを専門業者に共有しましょう。コストを最適化しつつ、安全でスムーズな拠点移動を実現することが、新しい環境での業務効率アップへの近道となります。

投稿者プロフィール


エイプロ サービス担当者

株式会社エイプロは名古屋を中心にオフィス引越し・不用品の買取及び廃棄処分・オフィス家具販売及び建築工事の3つを主幹事業としてお客様が求める、幅広いニーズに的確にお答えするサービスを提供しています。

【有資格】

運行管理者、宅地建物取引士、1級建築施工管理技士、2級建築施工管理技士、1級土木施工管理技士 他

【許認可】
一般貨物自動車運送事業、貨物利用運送事業、建築一式工事業、土木一式工事業、特定労働者派遣事業、古物商、プライバシーマーク、産業廃棄物収集運搬業、産業廃棄物処分業

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